明日の話は、明日しよう

今を生きるのに精一杯

No.1 デニーズに行ったら、自分の貧民っぷりがありありと浮き出た話(前編)

どうも、おはこんばんにちは。ユグです。

あまりに時間が空いているのでクソブログを執筆しようと思います。明日のゼミ発表なんて知りません。

のんびり語りだしをするのはこの記事には合わない気がするので、さっそくどうぞ。

一応事実を元にした記事ですが記憶があやふやなのもあるので脚色を加えております。ご了承ください。

 

某日、JR巣鴨駅前。

おばあちゃんの原宿」なんて謳われているけれども、若者向けのスポットが一切訳ではないし、だからと言って満足するほど遊びつくせるわけでもない、そんな街。

僕はこの街のそんなところが好きなんだけれども、今はそういう話をするわけではない。

そんな街に、大学の学食に居座り続けるのが気まずくなった僕と先輩(一つ上、女性)、後輩(二つ下、女性)は来ていた。

要はダラダラ喋りながら手軽に夕食をとりたいのだ。学食じゃあ周りがやかましいし、いつもと違うものが食べたいのである。意外ながら巣鴨駅を出てすぐにファミレスがすぐ見える。それも3件。

ガスト、ジョナサン、そしてデニーズ。(最近知ったんですけどジョナサンもすかいらーくグループなんですね) 

先輩(以下、先)「この3択だけど、後輩ちゃん何処行きたい?ユグの奢りだし」

僕「そうよーどこでもいいよー」

後輩(以下、後)「うーん……あ、デニーズのオムライスが食べたいです!」

なるほどね。一番高いとこだね。男先輩と行くなら問答無用でガストだけど、まあしょうがないね。偶には先輩面したいし。

ということで訪れた「デニー巣鴨駅前店」。まさかここであんなことやこんなことが起きるとは、その時誰も思わずに―

 

後「デニーズ来るの一年ぶりくらいです」

僕「デニーズなんて来ないからなあ」

先「ちょっと待って」

店のドアを開けようとする先輩が一旦手を止める。「これ見て」

「当店は2017年11月30日(木)18時をもちまして、閉店させて頂くことになりました」

僕「マジで」

後「最初で最後ですね」

一同大爆笑である。タイミングがタイミングでしょ。何となく漂っていた緊張感が解れる。

「いらっしゃーせー、おタバコお吸いになられますか」

先日この先輩とココスに行ったときに「ココスの制服めっちゃダサくね」って言う話をしたのを思い出す。デニーズの制服はまあまあお洒落だ。それに黒髪黒縁眼鏡のお兄さん。見た目だけならまるで執事だけど、滑舌悪すぎやしませんかね。いいのかこれ。

そんなお兄さんに案内された席は窓から巣鴨駅を臨める席。(巣鴨駅なんか見てもなんの益にもならないのはナイショだ)四人掛けの席に先輩と後輩が並んで座って、対面に僕が座る。

僕「圧迫面接では?」

先「では当社への志望動機を」

僕「来年度のことを考えさせられるんでやめて貰えますかね……」

そんな戯れをしながら、それぞれメニューを見る。

先「後輩ちゃんはオムライスでしょ、ユグは?」

僕「なんか人気メニューらしいんでハンバーグカレードリアで」

先「ふーん、ドリンクバーはいる?」

僕・後「はい!」

「そんじゃ呼ぶねー」、と卓上のボタンを先輩が押すと、先ほどの滑舌悪執事がやって来る。

「ご注文お決まりでしょうかー」

「オムライスとハンバーグカレードリア、それとカレーで。あ、あとドリンクバーをお願いしま―」

「当店ドリンクバーはないです、こちらのドリンクメニューでしたら」

衝撃が走る。嘘だろ。確かに機械が見当たらないなとは思ってたけど。てかこの席他テーブル席のパーテーションで全然店内見渡せないんだよ。

後「アイスウーロン茶で」

僕「アイスティーで」

先「珈琲で」

「承りました」

微妙な空気が流れる。

先「いやドリンクバーないって嘘でしょ(メニューを必死に捲りながら)」

後「でも本当に書いてないですねー」

先「ってか『おかわり自由』の字を見て反射的に珈琲にしてしまったのですが」

僕「貧乏人かな?」

「人気だから」とは言ったけど安かったからドリアにした僕は人のこと言えないんですけどね。

 

メニューが来るまでの間他愛もない話をしながら最初に受け取った水を飲み進めていると、とある疑問が僕の頭を過った。

「この水、どっから注いでくるんだ?」

ドリンクバーの機械が無くとも水を注ぐとこくらいはあるだろう。珈琲もおかわり自由なんだし。ドリンクのタイミングも食事と一緒にしたんだから、水がなくなったら最悪そっちを飲めばいい。

「お待たせしましたー」

三度滑舌悪執事。

オムライス、ドリア、カレー。そして三人分のドリンクが卓上に揃った。

既に水は半分以下になっている。助かった。ただメニューがメニューである。そう、「ハンバーグカレードリア」。水分が欲しい。

食べ進めながら水も、アイスティーもだんだん減っていく。

「美味しいっすねー」なんて平然な顔で談笑していても内心ヒヤッヒヤである。

先「そう言えば珈琲のおかわりって」

ふっと先輩が呟く。そうだった。先輩は「カレードリア」なんて生半可なものじゃなく、「カレー」を食べているのだ。そりゃ減るか。

店員を呼ぼうかとあーだこーだ言い合っていると、初老の店員が店内の巡回をしているのが目に入った。その店員が手にしていたモノは―

「珈琲のおかわりは如何でしょうか?」

コーヒーポットである。デニーズの制服にコーヒーポット、お洒落過ぎでは。ほら先輩動揺してんじゃん。

先「こういう風におかわりが来るのね……」

僕「執事かよ、って感じでしたね。貴族ごっこ楽しめるのかよデニーズ」

後「貴族ごっこってなんですか」

後輩ちゃんがツボに入る。めっちゃ楽しそう。そんな面白いこと言ったつもりないんだけど。

ふと手元のコップを見やる。もう水がない。辛うじてアイスティーは残っているけども、これから先しばらく居座る気なら流石に水が欲しい。

僕「ちょっと水を探しに旅立ってきます」

先「いてらー」

パーテーションで見えないレジ横空間に珈琲も水も置いてあるでしょ。軽い気持ちだった。ない。テーブル席しかない。ヤバい。

このままだと僕は「コップ片手に水乞食なデニーズのルールを分かってない貧乏大学生」になってしまう。その前に席にいったん戻らねば。

「あのお」

この声は。

「お水お持ちしますね」

三度あることは繰り返す。滑舌悪執事。

とぼとぼと席に戻った僕を二人が爆笑しながら迎えたのは、言うまでもない。

後「そりゃ閉店しますね」

 

今回はここまで。後編はデザートを頼む話をします。それでは。