明日の話は、明日しよう

今を生きるのに精一杯

No.11 ソーシャルゲームと似非ゲーマーの僕

一番幼いころの記憶ってなんですか。人それぞれだと思いますが、僕にとってそれは、父親の背中越しに見るゲーム画面の風景でした。

実況パワフルプロ野球7」。早川あおいが初登場した、イチローNPBに在籍している最後のパワプロ。その後それに限らず、色んなゲームのプレイ画面を父の背中越しに見てきました。ただこれは例外だったように思えます。父はRPGを好んでプレイしていて、僕に「ゲームと言えばRPG」というイメージを強く根付かせました。

DQ8FF10,10-2,12。ミンサガメガテン3。ペルソナ3,4。ファントム・ブレイブSO3。FM5。時々シミュレーションになって、サカつく3,4,5。三国志9,11。ギレンの野望(アクシズ)。

仕事から帰ってきては夜遅くまでゲームをプレイし、休みの日は昼間に起きだしてゲームを夜までやる。そんな父だったから、母は僕にゲーム機をなかなか与えたがらなかったけど、僕は僕で父の部屋に置いてあるゲームの攻略本(電プレとかファミ通も)を読み漁っていたから、実質的には父と一緒にゲームを攻略している気分でした。

小学生も高学年になると母との交渉がいよいよ成立してゲーム機を手に入れると、1年に1回誕生日プレゼントとして買って貰ったソフトを、親から制限された時間の中、それはもう無我夢中になってプレイしました。買ってもらうソフトはだいたいRPG。父の後を追いかけるように、ストーリーよりかは戦闘に重きを置かれているようなソフトばかりでした。

ゲームに関する知識に対して、実際にプレイしたゲームが異様に少ない。そんなちょっと変わった人間(ポケモンすらプレイしたことない)として育った僕が自由にゲームを遊べるようになった頃には、ゲームの主戦場はゲーム機からスマートフォンに変わっていました。

 

 

いつもゲラゲラとうるさく教室の後ろに陣取ってるアイツらはFPSスポーツゲームで遊んでいて、近寄り難い職場の先輩は案外休憩中にオタクゲームをやっていて、電車で隣に座ってる賢そうなおじさんはパズルゲームとにらめっこしている。ゲーム機を買わないと出来なかったはずのゲームが、スマートフォンで簡単に消費出来る娯楽にシフトしたように思う。昔は10人居れば一握りのオタクしかゲームをしていなかったのに、今のご時世は10人居れば10通りのゲームがある。「ゲームはオタクがやるもの」なんて時代は完全に終わった。スマートフォンの普及でゲームに限らず漫画や音楽の消費も随分と簡単になってしまったように思うけど、それはまた別の機会に。

 

じゃあオタクはどんなゲームをやってるのサ、という疑問がここに浮かび上がる。その答えはTwitterにある。トレンドにソシャゲの新登場キャラなりなんなりが入るSNSにオタクがいないワケないだろ。某ソシャゲの無料ガチャがTwitter連携出来るのは、話題性を上げるのは勿論ガチャ煽りでの課金を促す為、なんて話を聞くくらいTwitterとソシャゲの相性はいいのだ。そんなこんなで、オタクが遊ぶゲームも概ねスマートフォンに移ったと思う。ソシャゲの年間売上凄いからね。

ただそんなTwitterというSNSで見かける同じゲームをやってるオタクでも、そのプレイスタイルは様々だ。廃課金でイベント周回に人生を賭けるもの、ストーリーの考察に重きを置くもの、ガチャを引くだけ引いてウハウハしてるもの。色んなオタクが目に映る。ソシャゲの大半が「基本無料」でどんなオタクでも始めるだけなら簡単だし、そこからプレイスタイルが分かれるのは当然だ。

 

さてそんな時代に投げ出された、ゲーム知識だけ持ってゲームを十分にやれてなかった「似非ゲーマー」の僕。ゲームをやりたくてしょうがない。オタクだからTwitterもやりたい。そんな欲張りを叶えようとしたせいなのだろうか。

「なんであの人ガチャの引きは良いのになんで僕よりちゃんと育成しないんだろう」「ストーリーを考察してたのにゲーム性に飽きて他のゲームに行っちゃった」「課金するのはいいとしても、それで面白くなる気がしないなこのゲーム」「周回して周回に有利になるキャラを育成するってなんだ」「イベントが多すぎて追うのが面倒」

雑念が入り込んできすぎ。僕はゲームをやりたいだけなのに、なんでこんな他人やら運営やらのことを色々考えなきゃならんのだ。そもそも一人用ゲームをやってるはずなのに、SNSで他人と比較してしまうってなんなんだ。

 

それと僕を悩ませるのは、スマートフォンの性質上テーブルゲームパーティゲーム以外でも「誰かとやるゲーム」が増えたことだ。

「味方が下手なのか、僕が下手なのか」「一緒にやってる人に迷惑かけないようにしなきゃ」「コミュニケーションの為にゲームをしてるのか、ゲームの為にコミュニケーションをしてるのか」

対人関係を無駄に考えすぎ。なんでゲームをやりたいだけなのに、小学生の頃のドッチボールとかバスケとかの苦手な球技やらされた頃のあのモヤモヤとした感情をまた味合わなきゃならんのだ。

 

人より少しだけ考えることが得意なオタクとして育ってしまった結果、娯楽としてあるはずのソシャゲがこんな感じで少し毒になってしまった。だからといってスッパリ辞められないその様は薬物か何かかな?

「考えすぎだからそこをどうにかしろ」「Twitter辞めろ」なんて言葉が聞こえてくる。ただ三つ子の魂百まで、捻転してしまったオタクを元の姿に戻すのは生憎不可能だ。

それでも楽しくゲームをやりたい、どうすればと僕は考えた。その結果……

 

いや一人用のコンシューマーゲーか買い切りのスマホゲーやれば良くね?

†答え†に気付いてしまった。

コンシューマーゲーの古き良きWikiはゲームのことしか書いてない。気に食わないゲームを買ってしまったら中古屋かメルカリにダスト・シュートする憂さ晴らしだって出来る。

買い切りのスマホゲーはそもそもSNSに情報が多く出回らなかったり、コンシューマーゲーのリメイクだったりする。セールしてる時に買えばダメージも大きくない。

ゲーム以外の雑念が入ってくる余地はまるでない。一人でこっそり好きな時に好きなだけゲームをやる。ソシャゲと違って没入感が段違い、たまらない。

というワケで今こっそりやってるゲームの紹介をします。ここまではまえがきみたいなモンだったんですよ。

 

 

世界樹の迷宮X

世界樹の迷宮X (クロス) - 3DS

世界樹の迷宮X (クロス) - 3DS

 

気付けばATLUSを代表する作品となっていた「現代版Wiz」こと世界樹の迷宮の最新作。

当方世界樹のプレイは1,5のみのひよっこボウケンシャー。それでも「歴代のキャラ立ち絵をすべて使用可能」の言葉に惹かれ発売日に購入しました。

戦闘の難易度が高いのはATLUSゲーのお約束ですが、他にもキャラメイクに重きを置いているこの作品で「歴代の立ち絵がすべて使用可能」なのは大きかったです。1は1職業に4種の立ち絵、5は10種+DLCの立ち絵(ただカラーバリエーションは選べた)のに対し、今作は歴代の立ち絵全てですからもう無限大です。パッケージ絵や攻略本の書き下ろし、販促用イラストや過去のDLCイラストまで使えるのは涙止まらなかったですね。おかげで今作の19職のキャラを全部作成するのに2時間以上かけてます。楽しかったけどヤバすぎ。

もちろん戦闘の難易度も健在です。雑魚戦にすら状態異常を全力で振って、逃げる時は全力で逃げる。そんなダンジョン攻略ですから脳死で進められるわけなく緊張感があるワケで。もし途中で全滅しても、作成した地図は残っているし、敵の情報はプレイヤーの頭に残って居るから「ここ進研ゼミでやったところだ!」状態になってサクサク進められるのも楽しくてしょうがありません。一時期僕の3DSが不調で折りたたむだけで理不尽に電源が切れる、なんてことがあったのは楽しくありませんでしたが。

ボス戦はそれ以上に緊張する。手持ちの育成済みのキャラで挑むのか、それともボスに有利なキャラを育成するのか。それでも勝てない時は勝てないし、攻略を見てもギリギリの戦闘になることも多々あります。

ストーリーは……ハナからそんな期待してないので……俺はRPGで戦闘がしたいねん……

まだまだプレイ途中ですが「ゲーム(RPG)やってるなあ」の多幸感が凄いです。ゆっくりやっていきたいですね。

 

カルチョビットA

打って変わってこちらはスマホゲー。3DSカルチョビット(実は中古でも値段が2500円前後から落ちない逸品)が移植されたものです。「基本無料」とありますが、チームを率いて上位リーグへの挑戦権を得るには「ライセンス(1200円)」でのアンロックが必要になってきます。

サカつくがオーナーによる「サッカークラブ経営シミュレーション」とするなら、カルチョビットは監督による「サッカークラブ育成シミュレーション」。クラブの予算の中でどこまで補強を行うか、それとも元からいる選手を育成するのか。僕は無理してでもライバルチームのエースを引っこ抜いて、自チームを強化しながらライバルチームを弱くするのが好きです。

このゲームがスマホに移植されたことによる個人的な一番の変更点は「バックグラウンドでも試合が進行する」事だと思います。どうしても3DS版は試合進行してる間、黙って試合画面眺めなきゃいけなかったので。

スマホゲーをやりながら、漫画アプリを読んでる合間に、動画を見ている間に、試合を進行させておくといったことが可能なのです。ただ、監督としての采配をキチンとしたい時とか、優勝争いがかかっている試合はなんだかんだ見ちゃうんですけどね。

グラフィックは正直初代GBA版から大きく変わってないのですが、下位リーグに居た頃はなんとなくボール追ってただけの選手たちが、勝ち上がって上位リーグで戦う頃にはキチンとサッカーをしてるのが分かるようになってます。少しずつ玉追いからサッカーに変わって行く様子は嬉しくなりますね。

3DS版にはあったプレイヤー間ネット対戦が無いことに一部のプレイヤーから不満の声がありますが、僕は下位リーグから上位リーグ優勝街道に乗るまでのジャイアントキリングが好きなので、何度もチームを辞めては作り直す遊び方をしています。要はネット対戦やらないから関係なし!

僕自身サッカーがメチャクチャ好きって訳でもないのに楽しめてるので育成シミュレーションが好きな人は是非!

 

beatmania IIDX(弐寺)

リンク貼らなくていいよね。前述したゲームとは少し趣旨が異なりますが、音ゲーと言えば!なDJシミュレーションゲームです。20周年おめでとう。

このゲームの魅力は何と言っても曲数の多さ。曲が多けりゃ他音ゲーよりもビビっと来る曲が多いワケだから、これまた好きな曲に巡り合った時の多幸感が凄い。その曲数の多さから一つの難易度に500譜面以上(LEVEL10)ある故、成長を感じるスピードは他音ゲーよりも遅くなってしまうが、その分着実に一つずつ成長を感じられる、ともとることが出来る。

弐寺は先に紹介したゲームと違って「ライバル要素」があるけど、これは気にするようであんまり気にしないくらいの距離感を取っていくのが大事になってくると思う。(他音ゲーの話だが、ライバルの成長についていけなくなってひっそりと辞めていった友人を見たことがある為)「あの人はこの曲が上手いけど俺は別の曲が上手い!!!!!」とゲーセンで叫びながらやっていくのが大事やなって。

駆け出し六段ですがそんな感じで楽しく遊んでます。音ゲーはクリアランプなりスコアなりで昨日の自分より上手くなってるのが分かりやすいから、ゲームとしてとても分かりやすくて好きです。これからも程よく付き合っていきたいなって。

 

 

・おわりに

いつもと違う自分語りな書き出し(不快に思った方は申し訳ありません)で始まり、ソシャゲに向いてないのでは?といった話を経過して、いつもと同じ好きなものの紹介で終わりました。ワンパターンな記事しか書けないのか俺は。

まあこの記事で伝えたいのは、「やるからには楽しくゲーム、やりたくない?」という話でした。僕みたいに思案/Ponderを発動させまくってソシャゲを毒にしてる人間は数少ないでしょうが、流行りに乗ってソシャゲを色々やってるオタクはまあまあ見かけるように思えます。

やっぱり折角の娯楽なんですから、ゲームは楽しんでナンボですよ。ソシャゲが大隆盛しているなか、自分が過去に楽しんできたゲームってなんだったっけ、と時代に逆行して遊んでみるのも案外悪くないですよ。

それではまた。ユグでした。